代表林の小話

弊社代表林のコラムです。

お時間ある際にご一読いただければ幸いです。

 

カラスとハイエナ

明け方の歌舞伎町
ゴミ袋をあさるカラスの横を通り過ぎ、雀荘を目指す

眠らない街と言われるこの街も、さすがにこの時間は人もまばらだ
歌舞伎町を抜け、区役所通りの近くにある雀荘に入ると、いかにも明け方に仕事を終えたばかりの3人が女性を二人はべらせ、ニヤけて座っていた

もちろん、チャンプに面識は無い
今日はたまたま、この面々とセットを組んでいた友人に急用が出来、頼まれてここに来た
相手の情報は「水商売の3人組」だけ
なるほど

時間は明け方5時、決めは12時まで
点200G・1−3・チップ1,000G
とにかく勝負はスタート

開始10分、チャンプはこの時点でかなりイライラしていた
・麻雀しながらメールや電話ばかりしてる
そんなに忙しいなら麻雀なんてするなと言いたい
ましてや初対面の人間がいる場合は少なくとも「電話失礼」くらい言うのは常識
・煙草の吸い方にマナーが無い
チャンプは煙草は吸わないが、麻雀をしている時煙草を吸うな、とは言わない
だけど、煙を人にかけないとか、置き煙草はなるべくしないくらいのルールは守って欲しいもの
・連れの女性2人とずっとおしゃべり
女性の方も、当然麻雀というものがどういうものなのか分かっていないらしく、とにかくずっとうるさい

で、麻雀の方はどうかというと、点数計算も出来ないレベル
打牌は1順の間に吉野家の牛丼が出て来てしまうくらい遅く、見るポン出るチーと食いまくりドンジャラをやっているよう
素人も素人だ
彼らの場合、どうして点200Gでやっているのか、というよりも、麻雀はそういうもんだとしか思ってない感じ

負けるはずがない

そう思ったし、絶対にボコボコにしてやろうと思った

が、手が入らない
リーチしてもガンガン押され、放縦
バカヅキの人間にリーチしてツモられまくる
を繰り返し、終わってみたら▲14,000G

もちろん金額としては大した事は無いが、心の中は悔しさと無力感でいっぱいだ
なんで、こんな連中に勝てなかった?
後ろでは、今日の勝ち頭が「やっぱり俺って最強じゃねぇ?」としきりに女性達に自慢していた

この悔しさは当分続いた

2週間後
リベンジのチャンスは意外に早くやって来た
前回と同様、友人にセットの誘いがかかったが、友人の都合が悪いと言ったら、「じゃあ、前のあの人は?」という事で再びチャンプにお鉢が回ってきた

前回は明け方という事で一睡もしないで行った
勝って当然と思っていた
イライラしてメンタルが正常じゃなかった

思えば負けて当然かもしれなかった
相手はなめても麻雀はなめるな、である

また、ゴミ袋を漁るカラスの横を通って歌舞伎町を歩いた

雀荘に入ると、同じ面子が同じ女性を連れて同じように座っていた

勝負開始
今回は面白いように手が入った
彼らの暴牌が、面白いようにチャンプにささる
全ての事に対して、能面のような顔で受け流した

負けがはっきりしてくると彼らの打牌が荒くなる
イライラを態度に出してくる
が、自分で言うのも悲しいが、チャンプは身長182cmで肩幅も広いガッチリ体系なので、あまり男に争いをしかけられるタイプではない
優男3人なんて目じゃないのだ
逆に睨みつける
男達の態度に違和感を感じたのか、女性達も静かだ

勝負が終了して、チャンプが勝った約15万Gをしまっていると、彼らはろくに挨拶もせず帰って行った

全く大人げ無いが、ハッキリ言って嬉しかった
溜飲を下げれた
ここでもう一回敗北をしてしまったらどうなっていたんだろう、と今更ながら怖くなった

気分はカラスと共にやって来たハイエナだ
今日だけは必ず捕まえてやるという意気込みだったから

麻雀には色々な顔がある
誰がどんな麻雀をやろうが否定はしないが、どんだけヌルイ面子と高いレートで麻雀を打てても、もうこういう麻雀をしたくないな、とチャンプは感じた

争奪戦麻雀

チャンプがまだ不動産屋を旗揚げして間もない頃、当時行きつけだった紹介制の麻雀クラブで、面白い提案をされた

提案してきたのは北新宿でペット専門の病院を経営する先生

内容は、一人30万G持ち合い、初めに見せ金をして、誰かがパンクするまで続ける!、というもの
誰かがパンクしたら即終了
レートは、点500G・2−4、チップ2,000G

30万Gは大金だが、ルールの面白さとリターンの大きさに惹かれて参戦を決意

他の面子は
チャンプと同業の不動産会社社長(こちらは売買)50代後半
中野坂上に10数件のマンションを持つ資産家、やはり50代後半

なんか先生以外は不動産関係者ばかりになってしまったが、持ち金30万Gの争奪戦、スタートである

誰かの持ち金がなくなったら即終了という事は、逆に言えば誰かの持ち金が無くなるまで続くという事
体力も重要だ

獣医の先生は40代後半
他の2人は50代後半
という事は、当時まだ20代のチャンプは体力的には有利である
だから、始めの半荘はいつもより慎重にスタートした

時間が長くなる前にチャンプの持ち金が無くなって終了、という事だけは避けなければならない

ところが、始まってすぐの東3局、チャンプ親番の時、資産家が「ツモ」の声
開けられた手牌は、
一一一九九九(222)55中中ツモ5赤
の四暗刻
役満はツモ上がり2万G・出上がり3万Gの決めだったから、
役満祝儀20,000G+赤1,000G=21,000Gの出費

それよりも何よりも痛いのは親かぶり
その前に2,000点を放縦していたので、この時点で残り点数7,000点
この半荘は結局4,000点残りのラスで、
点数で▲33,000G
チップで▲6,000G
役満祝儀で▲20,000G
と、始めの半荘だけで60,000Gが飛んで行った

半荘2回目
この半荘もチャンプジリ貧で、南場に入ってまたラス目、15,000点持ち、
南2局、チャンプ西家、ドラ9ピン、10順目チャンプの手牌
三三五五赤(5赤9)5赤5南南撥撥中
ここでドラの(9)を引き「ドリャー」と中切りリーチ
すると一発目にいたのが、なんと(5)
パシーンと叩きつけ(マナー違反)裏ドラを見ると、裏ドラも(9)が鎮座していて、6,000−12,000の6枚オール
こんなウルトララッキーで僥倖のトップ

このまま走るか、と思ったがなかなか抜け出せず半荘は30回を越える
昼12時に始まった麻雀も、あと2時間で時計が1周する時間になっている
チャンプも疲れたが周りはもっとキツイだろう
案の定、始めの半荘で四暗刻をツモった資産家の打牌が目に見えて荒くなって来た

いや、資産家だけじゃない、他の2人もいつもとは明らかに違う
この時点でチャンプ15万Gほど浮きに回っていたが、なんせこの中で一番金持ちじゃないのはチャンプ、ここは一番、集中だ

しかし、やはり1番麻雀どころではなくなっていたのは資産家のようで、そこから6連続ラス
一気にパンクしてしまった
時間は2回目の14時を越えた所だ
皆、こんなに長くなるとは思わなかったのだろう
その場で寝てしまいそうなほど疲労困憊

実は最後の6半荘、チャンプは1着4回2着2回のオール連帯フィニッシュ
これは若さの勝利です

後日談
この時にやった面子の方々、もちろん皆さん人生の先輩だが、実に良い人達で、中野坂上にマンションを持っている資産家は中野で賃貸の不動産を経営しているチャンプの大家様になってくれている
紹介制の麻雀クラブは無くなってしまったが、獣医の先生は今でもチャンプの麻雀仲間だ
もう一人の不動産屋社長も、その後可愛がってもらい、色々美味しい店などに連れて行ってもらったが、一昨年亡くなってしまわれた

その後、皆さんと良い関係を築けた事や、ルールの面白さ、あと何より思った以上に長引いて耐久麻雀みたいになってしまった事などで、実に印象深い勝負であった

ちなみに、今同じ勝負をしたらチャンプは眠すぎて、突然ルールを変更しギブアップしますm(_肉_)m

ラストシーン

「林くん、麻雀をやらないか」
約7カ月ぶりに聞く薄井さんの声だった

代々木で売買の不動産業を営む薄井さんとの出会いは、前回のコラムで書いた「争奪戦麻雀」
その後、本当に可愛がってもらい、月に2,3回は食事に連れて行ってもらったり、麻雀後、薄井さんの家で奥様の手料理を御馳走になったりと、母子家庭のチャンプにとって、頼れるお父さんみたいな感覚であった

姉さん女房の奥様は、本当に気風の良い方で、深夜の突然の訪問にも嫌な顔一つせず、必ず「もう食えません!」っていうくらいの食事を食べさせてくれた

子供のいない二人にとっても、おそらくチャンプを子供のように見てくれている面があったのかもしれない

その薄井さんが倒れたと聞いたのは前の年の10月
病院に担ぎ込まれ検査してみると、末期の癌で、もう手術は不可能な状態だった
その事実は本人に告知されず、奥さんは全ての悲しみを一人で担いだ
チャンプも入院した当初は頻繁にお見舞いに行った
お茶の水の順天堂病院内にある休憩所で、薄井さんと麻雀談義に華を咲かせた
奥さんは、いつもニコニコ笑って聞いていた

7か月前、奥さんから電話があった
薄井さんの病状を説明された

年内持つか持たないか・・・

今が9月だから、もう後3カ月しか無いではないか

その事実は本人の希望で奥さんの口から告知され、薄井さんも知っているそうだ
本人はもっと前から分かっていたのかもしれない

その翌日、薄井さんから電話があった
「林くん、麻雀をやらないか」

薄井さんの声を聞いただけで涙が出そうになった
「最近麻雀で役満を上がる夢ばかり見るから、あの世へ行く前にやっておかないと向こうへ言ってから後悔しちまう」
チャンプは「もちろんです」
という以外何も言えなかった

数日後、薄井さん宅へお邪魔した
もうかなり古い型の全自動雀卓があり、これも良く使わせて頂いた

久しぶりに見る薄井さんは物凄く痩せていて、あれだけ恰幅の良かった薄井さんだから、どれだけ壮絶な闘いをしていたのかすぐに分かった
「そんなビックリした顔するな」
薄井さんは微笑み、ゆっくりと座った
奥さんは相変わらずニコニコしていた

チャンプはずっと笑っていようと決めていた
お二人が、どんな気持ちで今日を迎えたか分かっていたから

面子が揃いスタート
決めは半荘4回
薄井さんの体力を考慮してだ

この日の薄井さんは強かった
麻雀を愛し続けた男に神様が御褒美をくれたのかもしれない
2トップ・2着2回のオール連帯
チャンプも人が上がって点棒を払う時、こんな嬉しい気持ちで払ったのは後にも先にもこの時だけだ

勝負が終わり、薄井さんは上機嫌だった
この時ばかりは全てを忘れ、本当の笑顔が見れた気がした

チャンプが帰る時、薄井さんが笑って言った
「今日はこいつを2回ツモったからな」
得意気に3ピンを見せた
3ピンが大好きで、3ピン待ちならペンチャンカンチャンなんでも曲げてしまうほどだった
薄井さんは愛おしそうに3ピンを離さなかった・・・

これが、チャンプが薄井さんを見た最後の場面になったが、この時の薄井さんのなんとも言えない笑顔を忘れる事は出来ない

死ぬだけではなく、人間は、何かの絶望の淵に立った時に、本当の人間性が出るのだろう
そういう意味でも、薄井さんは素晴らしい人だったんだと思う

チャンプが次に薄井さんを見たのは、お葬式の遺影で微笑む薄井さんだった
その笑顔も素敵だが、やはりチャンプが最後に見た笑顔とは違う
笑顔にも喜怒哀楽があるのだろう・・・
この時は奥さんも笑っていなかった

涙が止まらなかった

麻雀というのは、時に素晴らしい出会いを与えてくれるものだ
薄井さんとの出会いも麻雀
今、チャンプの周りにいる人も麻雀で繋がった人が本当に大勢いる

その、全ての出会いに感謝
そしてこれからも・・・

明日があるさ

その日の相手は格下だった

点2ピンの2−4・チップ1,000G
京王線の初台駅近くに自分の6LDK一戸建てを両親からプレゼントされたボンボンと、その仲間とのセット

この日も始まって2着スタートの後2連勝で、この半荘も起家スタートで東1局、一通の高めをツモって親満と、状態二重丸

こうなってしまえば、湖に浮いた木の葉のようにプカプカ浮いていれば良いのだ
多少のマギレがあっても、柳に風と受け流す
自分はツモに身を任せていれば、自ずと勝ちが増えて行く
麻雀とはそういうゲームなのである

しかし、ここでチャンプは2つの愚を犯した

1つ目は麻雀を打ちながらメールの返信を始めた事

これはプロアマ問わず、絶対にやってはいけない事
麻雀の勝ち負けというのは、本当に些細な事の違いで、ある程度のレベルに達すると、牌の切り方などはそんなに変わらないもの
大事なのは観察眼
自分の手牌を見るのなんて一瞬で良いのだ
他の所に情報はたくさん落ちている

例えば、ホンイツ模様の捨て牌に白を切ってみる
その人が一瞬でも自分の手牌に目を落とす
ああ、その人は鳴きたい字牌があるんだなぁ、という情報
例えば、リーチ後や、テンパイ模様の人が盲牌をして、一瞬深くなったと思ったら三萬を切る
どんなに盲牌が達者な人でも二萬と三萬・五萬と六萬などの牌はどうしても一瞬確認してしまう

河にも特徴が出る
筋で待つのが好きな人や、迷彩をきかすのが好きな人
当然、全部は見ないが、好配牌が入っているオーラやイーシャンテン模様のオーラの人の手出し牌も見る
その全てが観察眼であり、それがそのまま麻雀の勝ち負けに繋がるのだ

2つ目に食事を注文した事

勝負の最中に食事をするなんてもってのほかである
お腹がいっぱいになれば、眠くなり、集中力を切らす
勝負は一点を見据える事だけで良いのだ

あっ、とは言っても、皆さんとセットしてる時チャンプはいつもご飯食べてるでしょ
それは仲間内でのセットであり、勝負でもあるが、基本的に親交を深めているんですよ
麻雀は沢山の友人を作れる素晴らしいものですから

南2局、11順目
南をポンしている親番のボンボンへメールをしながらチャンプが東を切ったら「ロン」の声!
開けられた手牌は、

東東西西西北北白白白 南南南

純粋に役が複合している役満の場合、ダブル役満有りのルールだったので、親の96,000点
チャンプ後にも先にもお目にかかった事の無い点数だ

食事を注文して、メールを打って、ボンボンの異常なオーラにも場に字牌が全然切られていなかった事も、観察力ゼロの大失態

まさに神様から罰である

チャンプ、箱下6万点で飛び

茫然自失

天から地へ

その後、態勢が立てなおるはずもなく、マイナス10万G以上を支払って終了

ボンボン達の今夜の飲み代は俺の金さ

でも、なんだってんだ
女と麻雀は後を引いたら負け

こんな日は早く帰って寝ちまうに限る

明日があるさ

まっ、当然その日の夢には出てきたけどね

陸の孤島にて

あれは今から3年前
タイ王国で大規模なデモが発生し、赤色のTシャツを着たレッドチーム(タクシン派)と黄色いTシャツを着たイエローチーム(反タクシン派)が激し い対立を起こし、多数の死者重傷者を出すに至り、首都バンコクを初め各地が閉鎖され、ついにバンコク郊外にある国際空港「スワンナプーム国際空港」も閉鎖 され外国人の出入国も禁止された

なんと、チャンプはその時タイ国内に滞在しており、空港に行っても出国出来ないという事態に陥っていた

しかし、一時的に陸の孤島となったこのタイ王国で、チャンプのピンチは出国出来ない事ではなく、

持ち金が残り2万円を切った事にあった

基本的にチャンプは海外に行く事が多い為、銀行のキャッシュカードを国際キャッシュカードにしていて、海外のATMからでもおろせるのだが、この時の旅行では、そのキャッシュカード自体を日本に忘れてきてしまっていた
それでも、現金で20万円ほど持っていたので問題ないと思っていたのだが、滞在予定の2週間を過ぎ、いつ帰れるとも分からない状況で2万円足らずではお先真っ暗である

そこでチャンプは賭けにでた!

麻雀をしよう!

ここタイでは、日本のように規制が無くレートも本当にまちまちだ
しかも、バンコクだけで推定6万人以上の邦人が住んでいると言われ、実はバンコクには10件以上の雀荘がある
まぁ、でも日本では無いので麻雀をやる人間の絶対数の関係上そのほとんどが三麻専門店なのだが

タイの三麻のルールは独特だ

日本の三麻は基本1局精算で、萬子の一九萬(五萬を入れる所もある)北を横にはじき、それを全て1点、それとリーチ1点、ツモ1点、ピンフ1点・・・と計算して、上がったら計○点で、その1点を100Gとか200Gとかに設定している店が多い(もちろんマチマチだが)、

タイ三麻は基本東南戦の半荘を行い、ツモは常に1000点UPで、例えば満貫をツモると、出上がりは8000点(子の場合)で、ツモなら2000・4000点に1000点UPで3000・5000となる
100点単位は全て繰り上げ、よって100点棒は使用しない
1300・2600の場合、百点単位は繰り上げなので2000・3000の1000点UPで3000・4000が申告する点数になる
一番特徴的なのは「北」だ
北は常に役牌扱いで、北だけは横に「ペー!」と言ってはじく
これでドラ1
しかし、例えばAさんが「ペー」と横にはじこうとした時Bさんが北を2枚(あるいは3枚)持っていたとしたら、その北をポン(あるいはカン)出来るのだ
これでもう北ドラ3確定
満貫以上確定である
だから考え方によっては配牌で北が1枚あって1打目に北を横にはじくのは1打目にドラを切っているのと同じである
だけど3打目・4打目になると誰かが重ねるかもしれない
このゲームのキー牌はハッキリ北だと言える
北待ちも出来るしね

この辺の感覚は独特で面白い
事実、チャンプ帰国後、このタイ三麻はチャンプ周辺で大流行し、今でも三麻といえば、このルールで遊んでいる

チャンプは全財産の1.8万Gを持って雀荘のドアを開けた
本当の本当に負けたらアウトである
現状のタイには送金もしてもらえないからだ

その雀荘には3レートが存在し、
点ピン
点3ピン
点5ピン
店のオーナーと、客は一人しかいなくオーナーも客(隣の風俗店のオーナーだそうで関西弁を話す妖しさ満点のおっちゃん)も、レートはどれでもいいという

ハッキリ言って、ここで1,2万G勝った所で何も変るもんじゃない
チャンプは点5ピンを選択した
少しビックリした2人だが、笑顔で卓へ

25,000点持ち30,000返し、2着の場合30,000以下だとマイナス10P、30,000以上だとプラス10PでAトップBトップがある
チップは一発赤裏で2,000G

チャンプは初めの半荘で30,000以下の2着を取ったらパンクである
抑えとして、一応VISAカードを持っていてパンクしたら「これで払います」とあり得ない事を言おうと思っていた

1戦目、起家スタート
はぼトップ条件のチャンプとしてはラス親を引きたかった気持ちもあるし、三麻は上がり点が大きく誰かが飛んでしまう可能性も高いので、これで良かったという気持ちもある

ドラは2ピン、
本当に緊張しながら配牌を開けると、な、な、なんとダブ東と2ピンが暗刻ではないか
なんという行幸!!!!
まさに圧倒的!!!!!(アカギ風)
ざわ・・・ざわ・・・

5順目にツモり三暗刻でリーチをかけ、一発でツモあがる
これでだいぶ気持ちが楽になった
1戦目、3人で足して75,000点しかないのに、70,000点近くを叩きだしてチャンプ圧勝

その後も鬼人のように上がりまくり、20半荘近くやったがラス無しという奇跡的な成績で27万GをGETし、最後は客の風俗店オーナーが根を上げた

これは本当に奇跡の成績で、帰国後色々な所でこの三麻をやったが、こんなに勝った事が無い、つーかむしろこの時使い切ったのか、このルールチャンプ弱いです
後輩やなんかは、チャンプとこれをやるのを希望します

チャンプ圧勝!!!!!!!!!!!!

おそらく1週間近くは帰れないと思うが、むしろ来た時より金、増えてるし

そこからチャンプはレンタカーを借りて、5日間のタイ田舎巡りを敢行致しました
タイの田舎は本当に人が優しく、情緒があって、本当に何もかもが輝いていました
田舎の小学校の先生と知り合いになり、その夫婦の家に泊めてもらい、次の日、「小学校に来て下さい!」と言われたのでお伺いしたら、なんと 2,400人の生徒がいるマンモス小学校で、校長先生を紹介されたと思ったら、突然全校集会となり、2,400人の前でスピーチ&ドラえもんの歌をアカペ ラで歌わされました
でも楽しかったなー

ありがとう、タイ三麻
そして、もう一回くらい勝たせてね

セクシーな女性

最近は雀荘の規制も厳しくなり、点200G以上の雀荘は、表向きパッタリ消えてしまった
これは、まだ規制が厳しくなる前の新宿での話

チャンプがよく行っていたのは点200Gの馬4-8で、チップ1,000G、プラスして緑色の1ピンが入っており、それを持って上がると2,000Gというルールのお店だった

レートが上がれば相手の質も上がる
これ、麻雀に限った事でないが、チャンプは麻雀においては200G〜300Gで打っている相手が一番の強者だと思っている
それ以上はお大臣、もしくはギャンブル狂
だから当然、その店も強者が大勢いた
もちろん、全員自分が一番強いと思っている

その猛者揃いの常連の中に、一人だけ、いつも綺麗に化粧して派手な洋服を着て、良い匂いを撒き散らしている綺麗な女性がいた(イメージとしては「むこうぶち」に出てる及川奈央)
年は20代半ばくらいか

当然彼女は店でも異色の存在で、どんな麻雀猛者でも、彼女が同卓すると意識してしまう
彼女の麻雀は意外としっかりしていて、いわえる「感性」はピカイチだったように思う
しかも口癖のように「私は自分より麻雀の強い男にしか惚れない」とか言ってるもんだから、同卓者の気合いの入り方も違うってもんだ!

そんな彼女に心底惚れてしまった常連が一人
定岡さん、通称定さんだ
定さんには彼女も気を許していて、麻雀後の食事とかはいつも皆で行っていた
しかし定さんは、この「皆」が気に入らないようで、なんとか彼女を自分のものにしようと、いつも気合い入りまくりだ!
もちろん定さんも、この雀荘で生き残っているのだから強い麻雀を打つ
攻め屋だが、この攻めがなんとも強いのだ!
しかし、彼女と同卓すると気合いが空回りしてしまって成績はからっきしだ
ある日食事の席で、彼女から一番聞きたくない一言が、
「定さんは本当に良い人だけど、麻雀はイマイチね」
定さん固まる
チャンプすかさずフォロー
「いや、それはたまたまで、定さんは本当に強いよ」
定さん動き出す
しかし彼女
「そんなの見た事無いし」
定さんフリーズ・・・

ある日、雀荘のいつもの風景の中、彼女の怒鳴り声が響いた
「ふざけないで!私を馬鹿にしてるの!!!」
今にもビンタでもしそうな勢いで定さんをにらんでいる
「そんな、俺はただ・・・」

なんでも聞いた話だと、その日の彼女は絶不調で、開始から4−4−3の順位で4回戦目、南3局・その半荘も彼女がラス目で捨て牌は完全に国士模様
中盤過ぎ、親からリーチが入るが彼女は無スジのドラの7ピンを一発で勝負
同卓の定さんは、そこで3枚切れている1萬をそっと河に置いた・・・

黙っていれば美談かもしれないけど、
定さんは、その事を彼女に得意気に話してしまい、この騒ぎに

定さんは、彼女に気がありすぎて、彼女を女では無く雀士として見るのを忘れてしまっていたようである
チャンプはいまだに高レートの麻雀にいて、これだけしっかり打っている女性は知らない
だから彼女には当然雀士としてのプライドがあり、誇りがある
それを、一方的な色恋でないがしろにされたと感じたのだろう

その後、定さんは恋に破れたからか、己の打牌を恥じたのか、店からフェードアウトしていった

麻雀は悲喜交々
定さんは男としてもっと直球勝負していれば、また違った結果になっていたかもしれない
男とは悲しき生き物だ

そうそう、少し自慢になるが、彼女は、
「チャンプにはどうしても勝てないなぁ」
と常々言っていた
麻雀の強い男にしか興味が無い彼女、
その後チャンプとどうなったかだって?
えっ?
そりゃぁあんた、御想像にお任せしますよ